庭コラム
季節を楽しむ、自然とつながるひとときを。
庭と器と私の時間
各地で梅雨が明けはじめ、いよいよ夏本番。夏になると、海水浴にバーベキュー、木陰でのんびり読書、など屋外の楽しみ方はさまざま。今回の#庭マグは、夏のアウトドアシーンに便利なホーロー(琺瑯)のマグをご紹介します。
このマグは、「不変で不偏」なスタンダード商品を、様々な産地で製作している GLOCAL STANDARD PRODUCTS によるもの。
マグのワンポイントマークに描かれている「つばめ」は、新潟県燕市の老舗金属メーカーで製作されていることからきています。
燕市は、ステンレス製品の加工業が盛んで、特にカトラリーなど金属製洋食器の国内生産のシェアは90%以上を占めています。17世紀初め、毎年のように起こる風水害により、江戸から和釘の鍛冶職人を招き、農民の副業としたことが燕鍛冶の始まりとされています。
馴染みのあるホーローは、ガラス質の釉薬を焼付けたもの。強度、保温性、そして傷付きにくいことから、雑菌の繁殖を防ぐことができて衛生的。加えて、匂いが付きにくく味質が変わらない特性を持ち、本来の薫りと味覚を楽しむことができることから、コーヒーアイテムを作ったそうです。
またこのマグは、工法の難しさから国内外でも珍しいステンレス製のホーローを使用しています。それにより、ステンレスの錆にくい特徴を活かし、錆止め剤を使用せず直接ホーローを塗布することができるので、従来のものより薄く軽く仕上げることが出来ました。
持ち手部分にはラタンを巻き、飲物の温度に影響されず持ちやすく、無機質なホーローにあたたかみを添えてくれます。
庭にテントやキャンプグッズを持ち込んで、夏のアウトドア気分を楽しんでみてはいかがですか。
写真 / 田口 昭充 文 / 松坂 香里
Made in Japanセレクトショップの先駆けである『THE COVER NIPPON』をディレクション。デザイナー・バイヤーの両視点を活かし、産地のブランディングや商品開発、店舗や展示会のコーディネート・PRなど幅広い領域で活動。日本のモノづくりを未来に繋げるために、つくり手とつかい手を繋いでいる。
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