庭コラム

庭と器

季節を楽しむ、自然とつながるひとときを。
庭と器と私の時間

10月の器 初秋の空気に似合う、モダンな漆器。

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繊細な四季の感覚が息づく日本の庭や暮らしになじむのはやはり、丁寧に作られたメイド・イン・ジャパンの器。
そんなテーマのもと、庭やテラスで使いたい器をシーズンごとの場面に重ねて提案するこのシリーズ。ライフスタイルショップ『THE COVER NIPPON』のクリエイティブ ディレクター・松坂香里さんのナビゲートでお届けします。

漆器には珍しい、シックな色みが使いやすい。

「古来より日本の人々は、四季の移り変わりに心を寄せて暮らしてきました。日本で作られる上質なモノを通して、そうしたストーリーもお伝えすることを大事にしています」。
四季を感じるうえでとりわけ大切な〝食〟に近しい器と、季節の訪れを肌で感じられる庭。その組み合わせの妙を楽しむことで、丁寧な暮らしの一端を日常に取り入れる。そんな視点で、器を選んでもらいます。

「10月は日差しが柔らかく、庭の風を感じながら過ごすのにぴったりの季節。庭で〝秋の声〟を聞きながら過ごす……、そんなイメージで、気持ちのいい空気に合う温かみのある器を選びました」
今回推薦してくれたのは、越前漆器の里である福井県に工房を構える、「土直漆器」の「くるむ」シリーズ。
「越前は、古くから続く大きな漆器の産地なんです。山に囲まれているために材料の木材や漆が手に入りやすいことや、湿度と温度がちょうどよいことなどが、漆器作りが発展してきた理由ではないでしょうか」

そう言いながら取り出して見せてくれたのは、深いネイビーや上品なグレー、ベージュなどシックなカラーのお椀やカップ。これが漆器!? と思わず驚いてしまうほど、軽やかでモダンな佇まいです。
「漆というと赤や黒などのイメージがありますが、漆の樹液自体は飴色で、そこに顔料を加えて色を出しています。最近はさまざまな色のものが作られていますが、とりわけこのネイビーやグレーは、ほかにはあまりないカラー。お庭の木々の色ともなじむし、ふだん使っている陶器のお皿にも合わせやすくて、とても使いやすいです」

福井県鯖江市で漆器作りを続ける土直漆器。ベテランによる伝統技術と、若手の新しい発想を融合させたもの作りに定評が。

自然の手触りとほどよい重みがもたらす温かさ。

そして、ぜひ注目してほしいのが緻密に考えられたフォルム。
「お椀やカップなど、下の方に厚みを持たせてつくられています。こうすることで、手にしたときにほどよい重みが生まれる。とくにお椀やカップを両手で包むように持つと分かるのですが、この重量感のおかげでなんともいえない心地よさがあります。『くるむ』というシリーズ名もそのイメージから生まれたもの」
他にも、手に触れる部分は自然な木目と触感を残す「拭き漆」で仕上げる一方、内側は漆を重ねる従来の漆塗りで、など細かな心配りが随所に。
「このクオリティのものを、ろくろ挽きで木地を作るところから塗りまで、職人たちがすべて手作業でこなして作り出すのです。日本の技は本当にすごいな、と思います」
両手で包んで持ったときの安心感と、木目のやさしい手肌触り。庭の風景と自然につながるような温かな風合いの器は、何気ないお茶の時間も特別なものにしてくれそうです。
「買ってきたお菓子やパンも、こうした漆のお皿に乗せるだけで、まるでカフェのようにすてきに映えます。例えばお友達とのテラスでのお茶タイムにもぴったり。小さなお子さんがいても、木の器なら万が一落としたときでも安心です」

買ってきたお惣菜パンも、漆のお皿に乗せるだけでおしゃれに。

お椀は庭のお花を活けてみても素敵。

ナチュラルな色の漆器は、インテリアにも。

それぞれ3種のお椀とフリーカップ、トレーで展開する「くるむ」のシリーズは、使い方を限定しないデザインも魅力。
「お椀は汁物やサラダ、丼ものと幅広く使えますし、お庭の花をさりげなく活けるのもすてき。木の実を飾ったりしてもかわいい。フリーカップは飲み物だけでなくアイスクリームなどのデザートを入れたり。トレーは、時計やアクセサリーを置いておくのにも使えます。インテリア雑貨としても映えるのが、この器の良いところです」
モダンで使い勝手がよく、けれど作りは本物。価格も手に入れやすい範囲で、「初めて漆器を揃えてみたい、という方にもおすすめです」
堅苦しいものと思われがちな漆の器だけれど、
「インテリアにしてもいいし屋外のシーンにも似合う、こんな軽やかなものもあるのです。食洗機などに入れなければ扱いもそれほど神経質にならなくても大丈夫です」
そして昔ながらの日本の器は、直しながら使うことを前提に作られていることも特徴のひとつ。
「漆の器は、塗りがはげてしまったら塗り直せる。丁寧な手仕事の良さを感じながら、ぜひ長く使ってほしいと思います」

アイスクリームやナッツを入れたり、甘酒やスープにも。小ぶりなので子どもの手にも持ちやすい。
まるカップ(白、紺、グレー)φ80×H60mm 各4,200円(税抜)。

そば猪口のようなフォルムで、お茶やお酒などの飲み物だけでなく、ヨーグルトなどを入れても。
かくカップ(白、紺、グレー)φ90×H60mm 各4,200円(税抜)。

お味噌汁やスープ、ご飯や丼ものなどに。重ねて置けるから収納もらくちん。
組椀(白、紺、グレー) (小)φ103×H71mm 4,500円(税抜)、(中)φ115×H75mm 5,000円(税抜)、(大)φ130×H82mm 8,000円(税抜)。

取皿としてはもちろん、アクセサリーや時計などの小物を置いてインテリアの一部にも。
豆皿10cm(白、紺、グレー)105mm×H15mm 各2,800円(税抜)、皿15cm(白、紺、グレー)150mm×H20mm 各3,800円(税抜)、皿18cm(白、紺、グレー)180mm×H25mm 各5,800円(税抜)。

写真/田口昭充 撮影協力/箱根本箱 文/新田草子

Profile

松坂 香里 | Kaori Matsuzaka
Creative Director

Made in Japanセレクトショップの先駆けである『THE COVER NIPPON』をディレクション。デザイナー・バイヤーの両視点を活かし、産地のブランディングや商品開発、店舗や展示会のコーディネート・PRなど幅広い領域で活動。日本のモノづくりを未来につなげていくために、つくり手とつかい手をつなぐことを心がけている。

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