庭コラム
庭をおしゃれで快適な空間にするためには、グリーン(植物)の演出は欠かせません。
ここでは、お手入れが簡単でセンスアップできるグリーンのアイデアを紹介。
初めて庭木を植えるなら、どんな木がいいの? 特徴やトレンド、おすすめの樹木を、グリーンの専門家・SOLSOの中嶋有さんに教えてもらいました。
21歳で南米アマゾンに行き、帰国後植物の世界へ。観葉植物や山野草、生花の販売を経て、2011年に株式会社DAISHIZEN『SOLSO』の立ち上げメンバーとして入社。入社後は個人邸やショップなど幅広いジャンルで、ライフスタイルに寄り添う植栽プランの提案を行う。
初めて庭木を植える時は、まず植えたい場所の環境に合わせた提案をします。テラスに地植えできない場合は鉢植えにするとか、エントランスの植栽スペースであれば、道路にはみ出さないようにするとか。季節を楽しむために花や実がつく樹木や落葉樹を植えたくても、建物が隣接している環境では散った花や落ち葉がご迷惑になる可能性もあります。また、日当たりもとても重要で、寒さが厳しい地域や常に日陰の場所は、針葉樹やインドア用の耐寒性のある観葉植物など、冬を越せるような樹木から選びます。次に大切なのは、ご希望とお悩みにマッチするかどうか。昆虫が苦手な人には昆虫が集まりやすい花や実がつく樹木はおすすめできませんし、落ち葉が風流と感じる人もいれば、落ち葉は掃除の手間がかかり、冬になると寂しく見えると感じる人もいます。地域によって育てられない品種もありますが、環境と好みにフィットする、長く愛でられる庭木と出会えたら、きっとお気に入りの庭になるはず。
シンボルツリーとは、住宅を象徴するような背の高めの樹木のこと。「〇〇の木がある家」「自分の家はここ!」と家の目印になるので、新築の場合、シンボルツリーを中心に考える人も多いかと思います。また、家族のライフイベントに合わせて記念樹として植えることもありますよね。家族の成長を見守り、一緒に暮らしていくパートナーですから、メンテナンスを含めて慎重に選ぶ人もいらっしゃいますが、パッと見て気に入ったものから選ぶのも楽しいものです。ここ数年で人気なのは、ユーカリやミモザアカシアなどのオーストラリア品種。ブルーっぽい葉の色がモダンな建築に合うからかもしれません。
目隠し用の庭木は、葉や枝の密度が濃くて、こまめに枝分かれしているタイプを選ぶのがポイントです。剪定を繰り返すたびにどんどん分岐していくので密度が濃くなりやすく、生垣にもできます。目隠しなので基本的には葉が落ちない常緑樹から選びますが、一品種だけでなくいろいろな種類を混ぜるのもおすすめ。しっかり隠したい部分と、外の景色を少し感じたい部分で植え分けたり、ミックスして葉の色合いを楽しんだりと、ご希望に合わせてレイアウトできます。地植えができない場所は、鉢植えでも目隠しできますよ。
せっかく庭木を植えるなら、花や実を楽しみたいと思う人も多いばず。実を食べるための果樹も、形や色、香りを観賞する花木も、手を加えて育てる喜びがあるので、庭に出る機会が増えますよね。四季の彩りや、収穫して食べる楽しみは、ご近所との会話や交流を生みますし、一緒に世話をすることで家族とのコミュニケーションにも一役買います。ただ、花や実には昆虫がつきもの。苦手な人は、ローズマリーなどの防虫作用があるハーブを木の根元に植えれば、虫よけにもなります。
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