庭コラム

#庭マグ

季節を楽しむ、自然とつながるひとときを。
庭と器と私の時間

秋の夜、月を眺めて
Vol.21

update

長雨もそろそろ終わり、ぐんと秋が深まってきます。庭に出て、夜空を仰ぐと美しい月が輝いています。そんな秋の夜長に最適な#庭マグをご紹介します。

槌が生み出すフォルムと輝き

今回ご紹介するのは、新潟県燕市の燕鎚起銅器(つばめついきどうき)松榮堂のマグです。

以前燕市については「夏のツバメ…」でご紹介したように金属加工の産地として有名です。
燕鎚起銅器は、伝統的工芸品に指定されており、鎚起とは鎚(つち)で打ち起すという意味で、一枚の銅板(平面)から継ぎ目のない立体製品を生む技術で、打ち起こしから、成形、着色仕上げなど数々の工程があり、それら技術を習得するには、5~10年ほどかかるそうです。

このマグを製作した松榮堂4代目 石高郁也(いしたかふみや)さんは、伝統工芸士のお父様(3代目 和弘さん)のもとで修業を積み約10年。現在では、マグの製作はすべて郁也さんに任されており、一つひとつ手作業で作られています。こうして数十万回もの打ち起こしを重ねた表面は、まろやかな肌ざわりとなり、味わい深い質感が生まれるのです。

素材の銅には、金属イオンの効用によってまろやかになり、うまみが一層引き立つと言われています。また、内側の銀色の部分は錫(すず)を手作業で塗ってあり、この作業で生じる表面の微細な凹凸は、ビールを注いだ際に細かくクリーミーな泡をもたらすなど、機能面でも優れています。

使い込むたびに色合いに深みと艶を増し、その人だけの古色へと変化していく鎚起銅器。一日の終わりに月を眺めながら、美味しいお酒を片手におくつろぎください。

一枚の板を打ち起こして作られた美しいフォルム。

一つひとつ手作業で作られている。

内側に錫を塗ることで、クリーミーな泡立ちに。

燕鎚起銅器マグカップ 大20,000円 / 小18,000円(税抜) 松榮堂

写真 / 田口 昭充  文 / 松坂 香里

Profile

松坂 香里 | Kaori Matsuzaka
Creative Director

Made in Japanセレクトショップの先駆けである『THE COVER NIPPON』をディレクション。デザイナー・バイヤーの両視点を活かし、産地のブランディングや商品開発、店舗や展示会のコーディネート・PRなど幅広い領域で活動。日本のモノづくりを未来に繋げるために、つくり手とつかい手を繋いでいる。

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