庭コラム
季節を楽しむ、自然とつながるひとときを。
庭と器と私の時間
夏に向かい、庭の緑も色鮮やかに勢いよく草木が成長しています。
stay homeも少しづつ明け、新しいスタイルの生活がスタートします。
そんな6月のはじめ、自然のもつ生命力をカタチにした#庭マグをご紹介します。
今回ご紹介するのは、陶磁器作家の高橋生華さんのマグ。高橋さんの制作のインスピレーションは、花や野菜など、自然の生命力。日本と世界各地で制作活動をしており、今後はフィンランドと景徳鎮を予定しています。拠点をいろいろ移しながらも、独自のモノづくりを行っています。
海外での制作は、土や道具など日本と同じ条件では焼き物を作れません。それにより、新たな発見や創意工夫が生まれ、各地での焼き物づくりを楽しんでいるそうです。
このマグは、「鋳込み*」という型を使って製作するスタイルで作られています。通常、鋳込みは量産の手段として使用されることが多いのですが、学生の頃、ヨーロッパの窯を巡る旅に行き、アートピースのような手作りの少量生産に型が使われているのを見たことから、この技法を使うようになりました。
この緻密なフォルムを作るには、制作の工程において石膏で原型を作る段階がとても重要。作る前には必ず原型の製図を引き、造形の中に曖昧なラインがないよう、形状のラインや比率、取手の位置など何度も吟味し、一番時間をかけています。こうして特有の造形美が生み出されているのです。
新しいスタイルの暮らしには、生命のいぶきを感じるこのマグでスタートしませんか。
*鋳込み(いこみ):粘土と水を混ぜた液状のものを石膏の鋳型に注ぎ込んで成形すること。
写真 / 田口 昭充 文 / 松坂 香里
Made in Japanセレクトショップの先駆けである『THE COVER NIPPON』をディレクション。デザイナー・バイヤーの両視点を活かし、産地のブランディングや商品開発、店舗や展示会のコーディネート・PRなど幅広い領域で活動。日本のモノづくりを未来に繋げるために、つくり手とつかい手を繋いでいる。
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